2025/5

『米国市場まるわかり|株式・債券・為替・商品先物を毎日要約』・2025/5/9

米国市場まるわかり|株式・債券・為替・商品先物を毎日要約とは?

 

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昨日の市況まとめ 1分解説

経済指標カレンダー

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株式市場(総合ニュース)

昨日のマーケットの動き 

米金融市場がリスクオン、トランプ氏の米英貿易合意発表が追い風に

  • トランプ大統領が英国との貿易協定合意を発表
  • 対中関税引き下げの可能性にも言及
  • 株価が全面高、為替市場では円安が進行

トランプ大統領の発表が市場を動かす

8日の米金融市場はリスクオン(積極的にリスクを取って投資する姿勢)の動きが加速。

トランプ大統領が英国との新たな貿易協定合意を発表したことに加え、中国に対する関税を引き下げる可能性にも言及したことが投資家心理を改善させました。

リスクオンとは?

リスクオンとは、市場参加者が積極的にリスクを取る動きを指します。株式などリスクの高い資産への投資が増える一方、安全資産とされる国債や円は売られる傾向があります。


株価は全面高、特に景気敏感株が上昇

8日の株式市場では主要指数が軒並み上昇しました。

  • S&P500:5663.94(+0.58%)

  • ダウ工業株30種平均:41368.45(+0.62%)

  • ナスダック総合指数:17928.14(+1.07%)

特に、航空業界や一般消費財など景気敏感な銘柄が市場の上昇を牽引しています。

  • 米英合意でロールスロイス製航空機部品が関税対象外に。デルタ航空が7.2%上昇。

  • ボーイングが英国向け航空機100億ドル分の受注で3.3%上昇。

また、トランプ政権がAI向け半導体輸出規制を撤廃・変更する計画もあり、フィラデルフィア半導体指数も1%の上昇を見せています。


円安が加速、一時146円台に

外国為替市場では、安全資産としての円が売られました。円相場は一時、1ドル=146円台まで下落し、約1%超の円安となっています。

  • ドル円相場:一時146円台に円安進行(約1%超の下落)

市場は週末に控えた米中貿易協議の進展にも期待感を持っていますが、まだ明確な結論が出ていないため、さらなる円安が進むかは週末の結果次第です。


今後の市場は米中協議が焦点に

トランプ氏は英国との貿易協定合意を「歴史的」と評価し、今後の世界経済改革の第一歩と強調。しかし市場関係者の多くは、やはり米中貿易協議の動向に最大の注目をしています。

専門家は以下のように指摘しています。

  • 「米中貿易協議は今回が突破口というより、長期化する交渉局面の始まりかもしれない」(ファワド・ラザクザダ氏)

  • 「不確実性は依然多く、消費者や企業の信頼感回復には、さらなる明確な進展が必要」(マーティン・フランセン氏)


まとめ

✅ トランプ大統領が英国との貿易協定を発表し、市場心理が改善

✅ 景気敏感株を中心に株価が全面的に上昇

✅ 円は安全資産としての魅力が薄れ、一時146円台へ円安が進行

✅ 今後の焦点は週末の米中貿易協議の進展に移行

✅ 不確実性は残るが、リスクオンムードが短期的に続く可能性あり

債券市場 米金利(CMEのFedWatch ツール)

アメリカ 利下げ織り込み

今日

昨日

国債相場の動向と市場の見方

国債相場が下落(利回りは上昇)している状況について、わかりやすく解説します。

国債市場の動き

米国債市場では全体的に利回りが上昇しています

  • 2年債から10年債の利回りは約10ベーシスポイント上昇
  • 30年債の利回りも約6ベーシスポイント上昇
  • 10年債利回りは2週間ぶり、2年債利回りは3週間ぶりの高水準

利回り上昇の主な要因

  1. 雇用統計の改善
    • 新規失業保険申請件数が減少し、労働市場の安定を示す
    • 労働市場が依然堅調という見方が強まる
  2. 米英貿易協定の合意
    • 貿易に関する「画期的な合意」が発表された
    • 英国は米製品に対する関税率を5.1%から1.8%に引き下げ
    • 他国との関税交渉もうまくいく可能性への期待
  3. リスク選好の高まり
    • 貿易を巡る緊張緩和の兆しで投資家心理が改善
    • 株式などのリスク資産への資金シフト

金融政策への影響

利下げ期待の後退
  • 6月のFOMC会合での利下げ確率は16%程度(1週間前は50%)
  • 年内の利下げ回数予想は3回未満(4月末時点では4回)
  • パウエルFRB議長は「金利調整を急いでいない」姿勢を表明

専門家の見解

金融専門家の間でも見方が分かれています

  • 楽観的見方:貿易合意が他国にも波及し、大幅な利下げが不要になる可能性
  • 慎重な見方:米英合意は「比較的容易」であり、市場を劇的に変えるものではない
  • 懸念的見方:景気後退リスクは数年で最も高い水準にある(PIMCO CIO)

用語解説

  • ベーシスポイント(bp):金利の変化を表す単位で、1bp=0.01%を意味します
  • FOMC(連邦公開市場委員会):米国の金融政策を決定する会議
  • リセッション(景気後退):経済活動が全般的に低下する期間

まとめ

✅ 米国債利回りは雇用統計の改善と米英貿易協定の合意を受けて上昇しています

✅ 市場では利下げ期待が後退し、6月の利下げ確率は16%まで低下しました

✅ 貿易合意による緊張緩和の兆しから投資家のリスク選好が高まっています

✅ 専門家の間では楽観論と慎重論が混在しており、不確実性が続いています

✅ この状況が続けば、FRBによる利下げのタイミングや回数が影響を受ける可能性があります

為替市場(FX) 通貨強弱

通貨全体の動き

ドル単体の動き

↑こちらのチャートはFX-laboさん↑

ドル円が146円台に急伸、米英貿易協定と対中関税引き下げ期待が後押し

  • 米英貿易協定の合意とトランプ氏の対中関税引き下げ示唆が市場の安心感を生んだ
  • ドル高が進み、円は主要通貨の中で特に大幅な下落を記録した
  • イングランド銀行の利下げによりポンドの上昇は限定的となった

ドルが急上昇した背景は?

8日の外国為替市場では、米ドルが急伸。

この背景には、トランプ米大統領が英国との貿易協定合意を発表したことと、中国への関税を引き下げる可能性を示唆したことがあります。

ドル高の勢いを表すブルームバーグ・ドル指数は一時0.7%上昇し、約1か月ぶりの高水準を記録しました。

円安が特に目立った理由は?

今回の為替市場で最も大きく下落した通貨は円です。

対ドルでの円の下落率は1.6%にも達し、一時146円18銭を付けました。これは4週間ぶりの円安水準です。

円が売られた主な理由は

  • 米英間で貿易協定が合意され、市場の緊張感が和らいだため、安全資産としての円が売られた。

  • トランプ氏が対中関税の引き下げを示唆したため、市場のリスクオン(積極的な投資姿勢)が高まり、ドルが買われ円が売られる動きが加速したためです。

ポンドはなぜ伸び悩んだのか?

英ポンドは、米英貿易協定の合意を好感して一時上昇しましたが、イングランド銀行(英中央銀行、BOE)が政策金利を0.25%引き下げ、年4.25%としたことで、その上昇は抑えられました。

また、利下げ決定の際、BOE内で意見の対立が予想外に強かったこともポンドの伸び悩みにつながりました。


「ブルームバーグ・ドル指数」とは?

ブルームバーグ・ドル指数は、米ドルの主要通貨に対する総合的な強さを示す指標です。指数が上昇すると、ドルが他の通貨より強いことを意味します。


「リスクオン」とは?

リスクオンとは、市場参加者が積極的にリスクを取る状態を指します。株やドルなどリスク資産が買われ、安全資産である円や金が売られる傾向があります。


まとめ

✅ 米英貿易協定合意と対中関税引き下げ期待がドル高を後押し

✅ 円はリスクオンの流れで大幅安(1ドル=146円台)

✅ 英中銀利下げがポンドの上昇を抑制

✅ ドル指数は約1か月ぶりの高値を記録

✅ 仮想通貨は全般的に上昇、特にイーサリアムが大幅高

原油・金相場の動向:貿易協定の影響

原油相場の反発

  • ニューヨーク原油相場が急反発し、WTIは1バレル当たり59.91ドル(3.2%高)で取引を終了
  • 北海ブレント原油も2.8%上昇して62.84ドルに

反発の主な要因

米英通商協定の枠組み合意発表
  • 英国が米国産品の通関プロセスを迅速化
  • 農産物、化学品、エネルギー、工業製品、エタノールなどの貿易障壁撤去に合意
  • ただし10%の基本関税は維持
他の貿易交渉への楽観視
  • 米中貿易交渉が今週末に正式スタート
  • トランプ大統領は交渉順調なら中国への関税率145%引き下げの可能性を示唆

原油市場の背景情報

  • トランプ氏の再選以降、貿易戦争への懸念から原油相場は下落傾向
  • OPECプラス(石油輸出国機構と非加盟産油国の連合)が供給増加方針に転換
  • 米国内シェール業者がパーミアン盆地での設備投資を削減

需給状況

  • 米原油在庫は2週連続で減少し、3月下旬以来の水準に
  • オクラホマ州クッシング(主要な原油貯蔵拠点)の在庫も減少

金相場の動向

  • ニューヨーク金相場は大幅続落(2.5%安の3306.00ドル)
  • 米英通商協定の枠組み合意発表を受けてドルが上昇
  • 世界的な関税戦争への懸念緩和により、安全資産としての金への需要が減少

専門家の見方

  • CIBCプライベート・ウェルス・グループのバビン氏:「米中貿易交渉で進展が得られるという楽観が戻ってきた」
  • シティグループのアナリスト:「米イラン核協議が決裂した場合、ブレント原油は70ドルに急伸する可能性」

用語解説

  • WTI(ウェスト・テキサス・インターミディエート):米国の原油価格の指標
  • ブレント原油:ヨーロッパやアジアなど国際市場の原油価格の指標
  • OPECプラス:石油輸出国機構(OPEC)と非加盟の産油国(ロシアなど)の協調体制
  • ティーポット製油所:中国の独立系小規模製油所のこと

まとめ

✅ 原油相場は米英通商協定の枠組み合意を受けて3%以上上昇しました

✅ 米中貿易交渉への楽観的見方が市場センチメントを改善させています

✅ 米国の原油在庫は2週連続で減少し、需給バランスの改善を示しています

✅ 金相場は貿易緊張緩和への期待から大幅続落しています

✅ 依然として原油市場全体の見通しは慎重な状態が続いています