2025/7

『米国市場まるわかり|株式・債券・為替・商品先物を毎日要約』・2025/7/3

米国市場まるわかり|株式・債券・為替・商品先物を毎日要約とは?

 

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目次

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昨日の市況まとめ 1分解説

株式市場(総合ニュース)

昨日のマーケットの動き 

米国株が最高値更新、ハイテク株とベトナムとの関税合意が追い風に

  • 米国株(S&P500とナスダック)が最高値を更新、ハイテク株がけん引
  • 米国とベトナムが関税を巡って合意、アパレルや靴関連銘柄が上昇
  • 米ADP雇用統計が予想外の悪化、雇用減速への懸念が広がる

米国株市場、ハイテク株がけん引して反発

7月2日の米国株式市場は、S&P500指数とナスダック指数が反発し、過去最高値を更新しました。ハイテク大手企業が市場を引っ張る形となりました。ダウ工業株30種はわずかに下落しましたが、ほぼ横ばいで取引を終えています。

ハイテク株の上昇が目立つ

特にテスラは第2四半期の納車台数が市場予想ほど悪化しなかったため、株価が5%上昇しました。ナスダックではアップルやエヌビディアなど他の主要ハイテク企業も好調でした。

ベトナムとの関税合意が追い風

トランプ大統領がベトナムとの関税交渉で合意に達したと発表したことで、市場には安心感が広がりました。これによりナイキなどアパレルや靴関連銘柄が上昇し、サプライチェーン(商品の生産・供給網)の混乱回避が期待されています。

サプライチェーンとは?
商品を生産し、消費者に届けるまでの一連の流れ(製造、流通、販売)を指します。


雇用統計への警戒感、米国債も下落

朝方発表された米ADP民間雇用者数は、約2年ぶりの減少となりました。これを受けて、労働市場の減速が懸念されています。さらに、英国債の急落が波及し、米国債も財政悪化への懸念から売られました。

雇用統計は市場の注目ポイントに

米雇用統計は通常よりも注目されており、多くの投資家は弱い結果を予想しています。市場では米連邦準備制度理事会(FRB)が利下げを行う可能性が高まっているとみられています。

雇用統計とは?
米国労働省が毎月発表する統計で、失業率や新規雇用者数など、米国経済の健康状態を示す重要な指標です。


半導体関連株には逆風も

マーベル・テクノロジーはマイクロソフトのAIチップ開発計画の遅れの影響で2.6%下落しました。一方、医療保険のセンティーンは、2025年の利益見通しの撤回を発表し、40%の大幅下落となりました。


今後の株価動向への警戒感も根強い

市場のムードは概ね良好、一部専門家は現在の株高がファンダメンタルズ(企業の実際の業績や経済状況)と比較して高すぎると警告しています。特にインフレの再燃やFRBが利下げを行わない場合、投資家の心理に悪影響を与える可能性があります。

ファンダメンタルズとは?
企業の収益性や財務状況、経済状況などの基本的要素のことです。


まとめ

✅ 米国株市場(S&P500、ナスダック)が過去最高値を更新、ハイテク株がけん引

✅ ベトナムとの関税合意がアパレル・靴関連銘柄の上昇を支援

✅ ADP雇用統計の悪化により米雇用統計への警戒感が高まる

✅ テスラは販売台数の減少が予想より緩やかで株価上昇、一方マーベル株は下落

✅ 株価は好調だが、今後の経済状況次第では調整リスクも指摘されている

債券市場 米金利(CMEのFedWatch ツール)

アメリカ 利下げ織り込み

今日

昨日

米国債利回り上昇:英財政不安と米減税法案が市場を圧迫

現在の利回り状況

  • 30年債利回り:4.80%(前日比+3.8bp上昇)
  • 10年債利回り:4.28%(前日比+3.7bp上昇)
  • 2年債利回り:3.79%(前日比+1.4bp上昇)

※ベーシスポイント(bp):金利の単位で、1bp = 0.01%

英国財政懸念の波及

英国債売りの影響

英国ではリーブス財務相の辞任観測が広がり、財政見通しの悪化への懸念から英国債が大量に売られました。この売り圧力が米国債市場にも波及し、両国の長期債利回りを押し上げる要因となっています。

市場の専門家は「英長期債が売り込まれており、市場の流動性が低いため、すべての長期債利回りを押し上げている」と分析しています。

米国の財政懸念

トランプ大統領の減税・歳出法案

米国でも財政への懸念が高まっています。上院で可決されたトランプ大統領の大型減税・歳出法案により、今後10年間で公的債務が約3兆4000億ドル(約490兆円)増加すると予想されています。

この法案は現在下院に送られ、共和党は7月4日までの成立を目指しています。

雇用統計と金融政策への影響

ADP民間雇用統計の結果

ADP民間雇用統計が予想外の減少となったことで、労働市場の軟化が懸念されています。この結果を受けて、FRB(連邦準備制度理事会)による利下げ観測が高まりました。

今後の注目点

  • 6月の米雇用統計(3日発表予定)が重要な指標となります
  • 雇用統計も弱い内容となれば、FRBによる利下げが早まる可能性があります
  • 市場では年内に少なくとも2回の利下げを予想
  • 今年最初の利下げは9月が有力視されています

市場関係者の見解

専門家は「焦点は再び財政赤字とインフレ上昇の可能性に移っている」と指摘しています。また、減税法案について「投資家に確実性を与えるためにも、法案を可決させる必要がある」との声もあります。

まとめ

✅ 米国債利回りは英国財政懸念と米国の減税法案による財政悪化懸念で上昇

✅ 長期債利回りの上昇が特に顕著で、30年債利回りは4.80%まで上昇

✅ ADP雇用統計の悪化でFRB利下げ観測が高まり、9月利下げが有力視

✅ 3日発表の雇用統計が今後の金融政策を左右する重要な指標となる

✅ 財政赤字拡大とインフレ懸念のバランスが市場の焦点となっている

為替市場(FX) 通貨強弱

通貨全体の動き

ドル単体の動き

↑こちらのチャートはFX-laboさん↑


米ドル堅調、英国ポンドは急落―雇用指標が市場の注目に

  • 米ドルは堅調。市場は米利下げ再開を織り込んでいる状況
  • 英ポンドは英国債売りの影響を受け、大きく下落
  • 市場は今後の米雇用統計の結果に注目している

米ドルは底堅い動き、一方ポンドが大幅安

ニューヨーク外国為替市場での米ドルは、米利下げ期待が強まる中でも比較的安定した推移を示しました。ただし、市場参加者の関心は週末に発表される雇用統計に集まっています。

雇用指標の悪化がドル高を支える背景に

米ADPが発表した6月の民間雇用者数は、市場予想の9万5千人増を大きく下回り、3万3千人減少となりました。この結果は約2年ぶりの悪化であり、FRB(米連邦準備理事会)が利下げを再開する可能性を強めています。

FRBとは?
米国の中央銀行制度を運営する機関で、景気調整のために利上げや利下げを行います。

市場ではこの結果を受け、「FRBが9月にも利下げ再開」という観測が裏付けられ、米ドルの底堅い動きを支えました。

英ポンドは英国債急落の影響で急落

一方、英国では債券市場が大きく売られました。英国政府が財政の引き締め(給付削減)計画を縮小したことや、財務相の進退問題など政治的な不透明感が嫌気され、ポンドは対ドルで一時1%超の大幅下落を記録しました。

トランプ政権の貿易合意も為替に影響

また、トランプ大統領はベトナムとの間で貿易合意を発表しました。これにより、米国がベトナムから輸入する商品に20%の関税を課す一方、ベトナム側は米国製品を関税なしで受け入れることが決まりました。これにより、市場にはリスクを取りやすい(リスクオン)ムードが広がっています。

リスクオンとは?
投資家が積極的にリスクを取って株式や新興国通貨などの資産を購入する状況です。


今後のポイント

  • 米労働省による6月雇用統計(3日発表)に市場が注目

  • 米利下げ再開の時期やペースに注視

  • 英国では政治的混乱が続き、ポンドのさらなる下落リスクに警戒


まとめ

✅ 米ADP統計の悪化でFRBの利下げ再開観測が強まり、米ドルが堅調

✅ 英国政府の政策混乱や財務相の進退問題で英国債が急落、ポンドが大幅安

✅ 米・ベトナムの関税合意が市場のリスクオン(積極的な投資姿勢)を支援

原油・金相場が上昇:貿易合意への期待と財政懸念が市場を押し上げ

原油価格の上昇要因

原油先物が続伸しました。主な上昇要因は以下の通りです。

  • トランプ大統領のベトナム貿易合意発表
  • 英国、中国に続く貿易協定への期待感
  • 7月9日の上乗せ関税一時停止失効前のさらなる合意への楽観
  • 米独立記念日連休前の商い薄による価格変動の増幅

現在の原油価格

  • WTI原油先物8月限:67.45ドル(前日比+2ドル、+3.1%)
  • 北海ブレント9月限:69.11ドル(前日比+3%)

在庫状況と供給見通し

在庫データ
  • 米エネルギー情報局(EIA※)発表:先週の原油在庫は385万バレル増加
  • この3カ月で最大の増加幅
  • 民間予想(68万バレル増)を大幅に上回る結果

※EIA:米国政府のエネルギー統計機関

今後の供給懸念
  • イスラエル・イラン停戦により地政学リスクが低下
  • 価格変動率は戦争前の水準に戻る
  • 年末にかけて供給過剰の可能性
  • OPECプラス(石油輸出国機構とロシアなど非加盟産油国の連合体)が週末会合で生産枠大幅引き上げを検討

金市場の動向

金価格上昇の背景

金相場も続伸しています。前日までの2営業日で合計2%上昇しました。

主な上昇要因
  • 米財政悪化への懸念拡大
  • トランプ政権税制・歳出法案による財政赤字拡大(10年で3兆3000億ドル増加見込み)
  • 逃避先資産としての金需要増加
  • 利下げ期待による金投資の魅力向上

現在の金価格

  • 金スポット価格:3349.71ドル(前日比+10.87ドル、+0.3%)
  • COMEX金先物8月限:3359.70ドル(前日比+9.90ドル、+0.3%)

金相場の年間パフォーマンス

  • 年初来上昇率:25%超
  • 4月に過去最高値を記録
  • 現在価格:過去最高値を約150ドル下回る水準
金価格を支える要因
  • 地政学的リスクの高まり
  • 貿易摩擦による市場緊張
  • 中央銀行による積極的な金購入
  • 金ETF(上場投資信託)への資金流入

今後の注目材料

重要な経済指標・イベント

今後数日間の注目点
  • 6月米雇用統計(4日発表予定)
  • 雇用者数増加ペース減速予想
  • 失業率上昇予想
  • 利下げ論拠への影響
その他の材料
  • OPECプラス週末会合の結果
  • 米国の追加貿易交渉進展
  • 関税政策の動向

まとめ

✅ 原油は貿易合意期待と連休前の薄商いでWTI67.45ドルまで上昇、供給過剰懸念も残存

✅ 金は財政赤字拡大懸念と利下げ期待で続伸、年初来25%超上昇の堅調推移を維持

✅ 6月雇用統計とOPECプラス会合が今後の相場方向性を左右する重要材料

✅ 地政学リスク低下で原油の変動率縮小、金は逃避需要と中銀購入が下支え要因