米株式市場、S&P500種が2年ぶりの最高値を更新

利下げ観測と企業利益の見通し

19日の米株式市場は、年内の利下げ観測により企業利益の見通しが改善し、S&P500種株価指数が終値ベースで2年ぶりの最高値を更新しました。

この日の終値は4839.81で、前営業日比で1.23%の上昇を記録。

ダウ工業株30種平均も1.05%上昇し、ナスダック総合指数は1.70%の上昇となりました。

ハイテク株の寄与とAIブームの影響

特にハイテク株が市場を牽引し、S&P500種は4800ポイントを突破。

人工知能（AI）に関連する楽観的な見方が市場をさらに後押ししました。

米国債のボラティリティー低下と消費者マインド

米国債のボラティリティーが低下し、リスク選好を促す状況が生まれました。

また、1月の米ミシガン大学の消費者調査では、消費者マインドが大幅に改善し、インフレ期待も低下しました。

2024年の経済見通し

専門家は、2024年には米国の経済が再加速する可能性があるとの見方を示しています。

特に、インフレの緩和と利上げの終了がその要因とされています。

主導株の動向

2024年も、いわゆる「マグニフィセント・セブン」をはじめとする企業が市場を主導しています。

半導体株もこの週は高い動きを見せ、特に台湾積体電路製造（TSMC）の強気予想が好感されました。

投資家の動向

投資家は成長株やテクノロジー株、AI関連銘柄への関心を高めています。

一方で、市場の一部の動きが目立つ中で、より広範な市場の乖離が懸念されています。

今後のS&P500種の見通し

UBS Global Wealth Managementの見解では、S&P500種の目標値は2024年6月に4900、12月には5000と予想されています。

ただし、企業収益の回復が相場の小幅上昇を主導するとの見方が示されています。

原油市場：供給増と地政学的リスクの狭間で

供給拡大の兆しと中東の緊張

ニューヨーク原油相場は、世界的な供給拡大の兆しと中東情勢の緊張のバランスにより反落しました。

紅海における商船への攻撃が続く一方、国際エネルギー機関（IEA）は2023年の石油市場において十分な供給を維持すると予想しています。

市場の見方

市場は中国経済の不透明さから需給バランスに対する悲観的な見方を示しており、原油価格の上昇要因は地政学的動向に大きく依存しています。

専門家は、新たな材料がなければ価格上昇は難しいと指摘しています。

価格動向

原油先物は方向感を欠いており、金融市場全体のセンチメントに追随する傾向が見られます。

実需筋の市場参加が限られ、アルゴリズム取引が主な相場動向を決定しています。

NYMEXのWTI先物2月限は73.41ドルで終了し、北海ブレント3月限も下落しました。

金市場：米経済指標と利下げ観測の影響

継続する価格変動

ニューヨークの金相場は続伸しましたが、週間では約1%の下落を記録しています。

底堅い米経済指標や利下げ観測に影響を受けています。

専門家の分析

市場は利下げ開始まで先走る傾向があり、利下げ期待が高まるにつれて価格調整が起こりやすくなるとの分析があります。

金の相場の方向性は今後も入手される経済データと利下げの時期・ペースに影響されると見られます。

最新価格情報

金スポット価格は1オンスあたり2029.17ドル、COMEXの金先物2月限は2029.30ドルで取引を終えました。

ドルの小反落とFRBの政策見通し

経済指標とドルの動向

米国の経済指標は堅調で、これがドルの継続的な上昇に寄与しています。

1月のミシガン大消費者信頼感指数が2021年7月以来の高水準に達しました。

これは、消費者の経済に対する信頼が高まっていることを示しており、ドルに対してポジティブな影響を与えています。

FRB政策と市場の反応

FRB当局者の発言とCMEフェドウオッチのデータによると、3月の利下げ開始の確率は低下しています。

FRBがインフレ率を2%まで低下させるための追加的なデータを待っているため、市場は利下げのタイミングについて再評価しています。

ユーロとポンドの動き

ユーロ/ドルはわずかに上昇し、一方でポンド/ドルはわずかに下落しました。

これは、各地域の経済指標や中央銀行の政策が影響していると考えられます。

暗号資産と株式市場

ビットコインは上昇していますが、週間では下落傾向にあります。

一方、株式市場はS&P500が約2年ぶりに過去最高値を更新し、特に半導体関連株が好調です。

金融・債券市場

米債利回りは上昇し、これは堅調な経済指標とFRBの利下げ観測の後退が影響しています。