米国株式市場、S&P500が4900を突破して終了

米財務省の借入見通し下方修正が影響

米国株式市場は29日、主要3指数が上昇し、S&P500種株価指数は4900を超えて取引を終了しました。

これは、米財務省が第1四半期の連邦政府の借入見通しを予想よりも下方修正したことが影響し、債券利回りが低下したためです。

テクノロジー株の上昇が目立つ

特に、テクノロジー株が中心のナスダック総合指数は1.12%の上昇を見せ、大手ハイテク企業の決算発表が控えている中で市場の注目を集めました。

今週は、マイクロソフトやアルファベット、アップルなどの巨大ハイテク企業が決算を発表する予定です。

今週の市場動向に注目

市場アナリストは、今週のハイテク大手の決算発表やFOMC会合、雇用統計などの経済統計の発表が株式市場の動向を左右すると指摘しています。

また、FRBはFOMCで金利の誘導目標を据え置くと予想されており、市場はパウエルFRB議長のコメントにも注目しています。

個別銘柄の動き

個別銘柄では、テスラの上昇が目立ちましたが、アイロボットはアマゾンによる買収計画がEU規制当局の反対を受け中止されたことで下落しました。

また、メタはジェフリーズによる目標株価の引き上げを受けて上昇しました。

ニューヨーク原油相場、４営業日ぶりに反落

中東情勢の悪化と市場の供給過多

ニューヨークの原油市場は、４営業日ぶりに反落し、1バレル=77ドルを割り込んだ。

先週の大幅上昇後、市場は買われ過ぎと判断されていた。

中東の緊張が高まる中、潤沢な供給が相場を圧迫している。

特に、WTIの終値が過去2営業日で買われ過ぎ領域に達し、市場は調整局面に入りやすい状況にあった。

OPECプラスの輸出量は1月に横ばいで、減産合意の実施が遅れていることが示唆されている。

中東紛争と原油価格

一方で、中東の紛争激化が原油価格を押し上げる可能性も指摘されている。

米軍拠点への攻撃とそれに対する米国の強い対応が、市場に不安をもたらしている。

市場の見方

資産運用者の間では、原油に対する弱気な見方が後退し、ショートカバーが見られたものの、ロングポジションの増加は限定的で、市場参加者は最近の上昇に対して確信を持てていない状況だ。

原油価格の現状

NYMEXのWTI先物3月限は、前日比1.23ドル（1.6％）安の1バレル=76.78ドルで取引を終了。

北海ブレント3月限も1.15ドル下落し、82.40ドルで終了した。

金価格、FOMC会合に注目

金融政策の影響

金スポット相場は反発し、まちまちな経済データがFOMCの利下げペースに影響を与える可能性がある。

市場はFOMCが3月の会合で利下げを開始する確率を約半分と見ており、昨年12月の米個人消費支出統計が物価指標の鈍化を示している。

金相場の見通し

金にとって利下げは通常、プラスとなるが、FOMC会合に向けてさらなる手掛かりが待たれている。

中国の政府刺激策が現物需要を高める可能性も金相場を支えている。

金価格の現況

金スポット価格は、前日比8.47ドル（0.4％）高の1オンス=2026.99ドル。

COMEXの金先物4月限は、8.50ドル（0.4％）上昇し、2044.60ドルで引けた。

ドル高進行とＦＲＢ政策の市場への影響

ドルのユーロに対する上昇

ニューヨーク外為市場では、ドルがユーロに対して上昇しました。

これは、市場参加者が米連邦準備理事会（FRB）が早期利下げの見通しをけん制すると予想しているためです。

FRBが3月に利下げを開始する確率は、直近の経済指標の強さを受けて、48%に低下しました。

これは1ヶ月前の89%から大幅に減少しています。

FRBの金利政策と市場の反応

FRBは今週、金利の据え置きを決定する見通しですが、市場の注目はパウエルFRB議長の記者会見に集まっています。

前回の会合で利下げサイクルへの移行が示唆された中、今回の会見での発言が市場にどのような影響を与えるかが焦点となっています。

米国の債券市場動向

米国の債券市場では、国債利回りが低下しました。

これは、重要な経済指標の発表やFRBの会合を控えた慎重な市場の動きに加え、財務省が第1四半期の借入予測を下方修正したことが影響しています。

米国株式市場の動き

米国株式市場は、ナスダックを中心に上昇しています。

特にテクノロジー株が市場を牽引しており、S&P 500は終値で最高値を更新しました。

今週は主要なハイテク企業の決算発表が予定されており、市場の動向が注目されます。

金と原油市場の動向

金先物相場は、地政学的リスクの高まりや米長期金利の低下を背景に反発しました。

一方、原油先物相場は、中国の景気先行き不安やドル高の影響を受けて反落しました。