ＦＯＭＣ、金利据え置き－３月利下げの可能性低いとパウエル議長

米株式市場の動向

31日の米株式市場は大きな下落を記録しました。

これは、米連邦準備制度理事会（FRB）のジェローム・パウエル議長が、3月の利下げに慎重な姿勢を示したことが原因です。

パウエル議長は、インフレ率が2%に向かうまで利下げを行わない方針を強調しました。

FRBの政策と市場の反応

パウエル議長の発言は、市場における利下げ期待を後退させ、特に大型テクノロジー銘柄を中心に株式市場に売り圧力をもたらしました。

マイクロソフトやアルファベットなどの企業の株価は、AIに関する期待が反映されなかったことで下落しました。

経済指標とFRBの見解

最近の強い経済指標にもかかわらず、物価圧力が弱まりつつあることから、FRBは利下げに消極的な姿勢を示しています。

労働市場と経済活動が依然として強いため、インフレ再燃のリスクを考慮しています。

1月の株式市場と年間の見通し

S&P 500種指数はこの日の下落にも関わらず、月間ベースでは3カ月連続で上昇しています。

ウォール街では「1月バロメーター」と呼ばれる理論があり、1月の市場動向がその年の市場の方向性を示すとされています。

雇用コストと労働市場

2023年第4四半期の米雇用コストの伸びが予想を下回り、インフレ圧力緩和の兆候と見られています。

1月のADP民間雇用者数の増加も市場予想を下回り、労働市場の冷え込みを示唆しています。

ニューヨーク原油相場、76ドルを下回る

中国の製造業PMI低迷が影響

ニューヨークの原油相場は反落し、1バレル=76ドルを下回りました。

中国国家統計局による1月の製造業購買担当者指数（PMI）が50未満を記録し、経済が縮小していることが影響しました。

米国内の原油在庫状況

米エネルギー情報局（EIA）の週間統計によると、オクラホマ州クッシングの原油在庫は昨年11月以来の低水準になりましたが、米国全体では原油在庫が123万バレル増加しました。

中東情勢の影響

紅海周辺での船舶攻撃と中東の緊張が原油相場に影響を与え、1月は月間ベースで昨年9月以来のプラスを記録しました。

金価格、下落に転じる

米金融政策の影響

パウエルFRB議長が利下げを急がない姿勢を示したことでドル指数が上昇し、金価格は下落しました。

金の市場動向

金相場は金利と逆相関の関係にあり、米国債利回りの動向に影響されます。

金スポット価格は1オンス=2034.20ドルで、1月は月間ベースで昨年9月以来の下落となりました。

ドルが対ユーロで上昇、FRBの金利政策に市場反応

FRBの金利据え置き決定と市場の反応

ニューヨーク外為市場では、米連邦準備理事会（FRB）のジェローム・パウエル議長が3月の利下げを「基本シナリオ」としないと発言したことを受け、ドルが対ユーロで上昇しました。

FRBは30日から31日にかけて開催された連邦公開市場委員会（FOMC）で、フェデラルファンド（FF）金利の誘導目標を5.25-5.50%で4会合連続で据え置くと決定しました。

市場はこの声明を受けて、3月の利下げ予測を下方修正しました。

債券市場の動向

債券市場では、国債利回りが3週間ぶりの低水準に低下しました。

10年債利回りは8ベーシスポイント下落し、3.977%を記録しました。

FOMCの決定とパウエル議長の発言が、市場の利下げ期待を後退させ、債券市場に影響を与えたと考えられます。

株式市場の反応

米国株式市場は、FOMCの結果とパウエル議長の会見を受けて下落しました。

特に、大型ハイテク株が売り圧力にさらされました。

S&P500種指数は、昨年9月21日以来の大幅な下落を記録しました。

金先物市場と原油先物市場の動き

金先物市場では、米金利やドル指数の低下を背景に金価格が続伸しました。

一方、原油先物市場は、中国の低調な経済指標や米原油在庫の積み増しを受けて反落しました。

まとめ

FRBの金利政策と市場の反応は、外為市場、債券市場、株式市場、さらには金先物市場と原油先物市場にも影響を及ぼしています。

FRBが示した金利政策の方向性が、今後の経済指標や市場の動向にどのように影響を与えるかが注目されます。