2025/7

『米国市場まるわかり|株式・債券・為替・商品先物を毎日要約』・2025/7/22

米国市場まるわかり|株式・債券・為替・商品先物を毎日要約とは?

 

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目次

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昨日の市況まとめ 1分解説

株式市場(総合ニュース)

昨日のマーケットの動き 

米国株市場は小幅高、決算シーズン本格化で注目高まる

  • 米国株市場は企業決算への期待と関税リスクへの懸念が交錯
  • S&P500は初めて6300を突破、ナスダックも上昇
  • 大型テック企業の決算とAI関連投資に市場の注目が集まる
  • 関税問題でトランプ政権の強硬姿勢が意識される中、企業利益予想の上方修正が鍵に

決算への期待感と関税リスクで株式市場は慎重な動き

21日の米国株式市場は、決算シーズンが本格化する中、企業業績への期待感と関税問題への警戒感が交錯し、小幅高で終了しました。

主な株価指数の動きは以下の通り

  • S&P500指数:6305.60(前日比+0.14%、史上初めて終値で6300超え)

  • ダウ平均株価:44323.07(前日比-0.04%)

  • ナスダック総合指数:20974.17(前日比+0.38%)

S&P500指数は終盤にかけて上げ幅を縮めましたが、ハイテク株中心のナスダック指数は比較的堅調でした。


エネルギー株は軟調、ハイテク株に期待感

原油価格の下落を背景に、エネルギー関連株は売られました。一方、テスラやアルファベットなど大型ハイテク企業で構成される「マグニフィセント・セブン指数」は市場を上回るパフォーマンスを示しました。

特に今週はテスラとアルファベットの決算が予定されており、AI(人工知能)関連の投資状況に大きな注目が集まっています。

人工知能(AI)関連銘柄への期待とは?

AI関連銘柄とは、人工知能技術を活用し、業績拡大や市場シェア拡大が期待される企業を指します。特にテクノロジー企業が中心で、現在市場では長期的な成長トレンドとして注目されています。


関税問題への警戒感、強硬姿勢が市場の不安材料に

株式市場では、トランプ政権が関税問題で今後さらに強硬な姿勢を取る可能性が意識されています。8月1日までに関税に関する新たな書簡が発表される可能性があり、これが市場のリスク要因となっています。

専門家からも、株式市場がこれらの関税リスクを織り込んでいるかどうか注視する必要があるとの指摘があります。


決算ガイダンスに要注目

ミラー・タバクのマット・メイリー氏は「決算シーズンにおいて企業が示すガイダンス(将来の業績見通し)が重要」と指摘しています。株価がさらに上昇するためには、企業が非常に強気な利益予想を出すことが不可欠となっています。

ウェルズ・ファーゴのクリストファー・ハーベイ氏も、米テクノロジー企業の利益率と市場シェアの拡大を背景に、S&P500指数は年後半に2桁成長すると予測しています。


PERの高水準が懸念材料

S&P500指数は最近の高値更新に伴い、株価収益率(PER)が22倍に達しており、株価が今後も上昇し続けるには業績の期待を上回る成長が必要となります。

株価収益率(PER)とは?

株価収益率(PER)とは、株価が企業の1株あたり利益(EPS)の何倍かを示す指標です。高いほど将来への期待が強い一方、期待外れの場合は大きく下落するリスクもあります。


今後の市場見通し:ボラティリティを活用する戦略も

UBSの専門家、ウルリケ・ホフマン・ブハーディ氏は、市場は短期的に調整局面を迎える可能性はあるものの、依然として強気相場が継続すると予測しています。2026年6月のS&P500指数の目標水準を6500と設定し、市場の変動(ボラティリティ)を利用した投資チャンスを推奨しています。

ボラティリティとは?

市場価格の変動幅を指す用語で、ボラティリティが高いほど価格の変動幅が大きく、リスクと同時に投資機会をもたらします。


まとめ

✅S&P500指数は史上初めて6300を超えるも、関税リスクを意識し小幅な上昇

✅決算シーズンが本格化、企業の利益予想とAI関連銘柄の動向に市場が注目

✅関税に関するトランプ政権の動向が、市場心理に影響を与える可能性あり

✅株価のさらなる上昇には企業の強気なガイダンスが不可欠

✅短期的な調整の可能性はあるが、長期的には強気相場継続と予測される

 

債券市場 米金利(CMEのFedWatch ツール)

アメリカ 利下げ織り込み

今日

昨日

関税懸念で米国債に資金流入、全年限で利回り低下

米国債相場が上昇した理由

米国債相場は上昇し、金利(利回り)は低下しました。この動きは、ヨーロッパの国債価格上昇に連動したものです。最も大きな要因は、アメリカ政権による関税引き上げの期限が迫っていることで、投資家が安全な資産として国債を求めたことです。

国債の利回り変化

  • 米30年債利回り:4.94%(前日比-4.5bp低下)
  • 米10年債利回り:4.38%(前日比-4.0bp低下)
  • 米2年債利回り:3.86%(前日比-1.3bp低下)

※bp(ベーシスポイント):金利の単位で、1bp = 0.01%のことです

市場の専門家による分析

国債市場の連動性

ミシュラー・フィナンシャル・グループのトム・ディガロマ氏は、アメリカ国内に大きな材料がない中で、米国債市場がヨーロッパの国債上昇にほぼ連動していると分析しています。10年債利回りは4.25%まで低下する可能性があると予測しています。

リスク回避の動きが強まる

XTBのキャスリーン・ブルックス氏は以下のように分析しています

  • 関税リスクや8月1日の期限への懸念が市場のリスク回避姿勢を強めている
  • 投資家が株式から米国債のような安全資産へ資金をシフトさせている

関税問題の影響

米国とヨーロッパ連合(EU)の通商協議は継続していますが、目立った進展はありません。8月に30%の関税が発動されるリスクが高まっており、これが市場の不安材料となっています。

英紙フィナンシャル・タイムズは、トランプ政権がEUとの貿易交渉で15-20%の最低関税を課す構えと報じました。エコノミストたちは、予想を上回る関税引き上げが世界経済の足かせになると懸念しています。

まとめ

✅ 米国債相場は関税問題への懸念から安全資産として買われ、利回りが全体的に低下しました

✅ 10年債利回りは約6bp低下して4.36%となり、200日移動平均を約1週間ぶりに下回りました

✅ 米EU間の通商協議に進展がなく、8月の関税発動リスクが市場の不安要因となっています

✅ 投資家がリスク回避姿勢を強め、株式から国債への資金シフトが起きています

✅ ヨーロッパ国債の上昇に連動する形で、米国債も買われる展開となりました

為替市場(FX) 通貨強弱

通貨全体の動き

ドル単体の動き

↑こちらのチャートはFX-laboさん↑

 

為替市場 円高・ドル安

21日の外国為替市場では、円が主要通貨に対して大幅に上昇し、ドルが下落しました。特に円は対ドルで1%を超える上昇を見せる場面もありました。

主要為替レートの結果

  • ドル/円:147.36円(-1.45円、-0.97%)
  • ユーロ/ドル:1.1694ドル(+0.0068ドル、0.58%)
  • ブルームバーグ・ドル指数:1200.52(-5.81、-0.48%)

円高の主な要因

参院選結果への反応

20日に投開票された参議院選挙の結果が円相場に大きな影響を与えました。

  • 自民・公明の連立与党が大きく議席数を減らす
  • 参院全体で過半数を割り込む結果
  • しかし、石破茂首相が続投を表明
  • 市場の過度な政治不安が和らぐ

過半数とは:議会で全議席の半数を超える議席数のこと。法案の可決に必要な議席数です。

専門家の見解

マネックスUSAのペレス氏は以下のように分析しています

  • 参院選の結果は予想ほど悪くなかった
  • 議席減は最小限にとどまった
  • 石破首相の続投確約で政治的安定性が確保
  • 円相場にとって歓迎すべき材料

ドル安の背景

米国債利回りの低下

ドル下落の主な要因は米国債利回りの低下でした。

  • 米10年債利回りが6ベーシスポイント以上下落
  • ドル相場は国債利回りと密接に関連
  • 複数の主要通貨に対してドルが下落

ベーシスポイント(bp):金利の単位で、1bp = 0.01%のことです。

FRBの政策金利見通し

JPモルガンのマイケル氏は、FRBの慎重なスタンスを評価しています

  • 政策金利を当面据え置き
  • 関税の動きを見極める方針
  • インフレや労働市場への影響を慎重に確認

今後の注目点

関税交渉への懸念

  • 8月1日に迫る米国との関税交渉期限
  • ベセント米財務長官がタイミングより質を重視と発言
  • 日本の国内政治より米国民の利益を優先する姿勢

その他の市場動向

  • ビットコイン:116,788ドル(1%超下落)
  • トランプ大統領の仮想通貨規制法成立で利益確定の動き
  • 日本市場は祝日で休場

まとめ

✅ 参院選で与党が過半数割れしたものの、石破首相続投で政治的安定性が確保され円が上昇

✅ 米国債利回りの低下を受けてドルが主要通貨に対して広く下落

✅ 円は対ドルで1%高の147円台前半まで上昇し、他の主要通貨に対しても強含み

✅ 8月1日の米国との関税交渉期限が市場の注目材料として意識

原油続落、金は約1カ月ぶり高値

価格下落の要因

ニューヨーク原油相場は小幅続落しました。主な理由は以下の通りです

  • 米国と貿易相手国との交渉が停滞
  • EUのロシア制裁の効果が限定的
  • 原油需給への懸念が継続

価格動向

  • WTI先物8月限:67.20ドル(前週末比0.2%安)
  • 北海ブレント9月限:69.21ドル(0.1%下落)

※WTI:アメリカの代表的な原油価格指標

金相場の動向

価格上昇の要因

金スポット相場は約1カ月ぶりの高値となりました:

  • ドル安進行
  • 国債利回り低下
  • 重要経済指標の発表なし

利息の付かない金は、ドル安・金利低下時に投資魅力が増します。

価格動向

  • 金スポット価格:3,394.64ドル(1.3%高)
  • COMEX金先物8月限:3,406.40ドル(1.4%上昇)

今後の見通し

TDセキュリティーズは金の追加上昇を予想。理由として貿易戦争、利下げ再開、スタグフレーション環境を挙げています。

まとめ

✅ 原油は貿易交渉停滞とロシア制裁の限定効果で続落

✅ 金はドル安・金利低下で約1カ月ぶり高値を更新

✅ 投資ファンドの金売りポジション解消も価格を押し上げ

✅ 金は今後も上昇余地があるとの専門家見解