2025/7

『米国市場まるわかり|株式・債券・為替・商品先物を毎日要約』・2025/7/23

米国市場まるわかり|株式・債券・為替・商品先物を毎日要約とは?

 

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目次

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昨日の市況まとめ 1分解説

株式市場(総合ニュース)

昨日のマーケットの動き 

米国株市場:S&P500が過去最高値更新、AI銘柄への期待高まる

22日の米国株式市場では、主要指数のS&P500が小幅ながら上昇し、終値ベースで過去最高値を更新しました。近づく決算シーズンへの期待と関税協議の動きが市場を左右しています。

指数別の結果

  • S&P500種株価指数:6,309.62(+4.02、+0.06%)
  • ダウ工業株30種平均:44,502.44(+179.37、+0.40%)
  • ナスダック総合指数:20,892.69(-81.48、-0.39%)

S&P500では400銘柄以上が上昇し、堅調な相場展開となりました。

注目銘柄の動き

  • テスラ:23日の決算発表を控えて1.1%上昇
  • アルファベット:同じく決算発表予定で0.65%上昇
  • コールズ(百貨店):一時105%の急騰で「ミーム株」※の仲間入り

※ミーム株:SNSなどで話題になり、投機的な売買が集中する株式

決算シーズンへの期待

AI関連企業が牽引

今四半期の決算では、人工知能(AI)関連企業の好調な業績が市場全体を支えると予想されています。

  • マグニフィセント・セブン※:4-6月期の利益が14%増加の見込み
  • その他のS&P500企業:利益成長はほぼ横ばいの予想

※マグニフィセント・セブン:アップル、マイクロソフト、アルファベット、アマゾン、テスラ、メタ、エヌビディアの大型ハイテク7銘柄

専門家の見解

投資専門家は「AI主導の企業が今後もテクノロジーセクターの成長を牽引する」と分析しています。企業レベルでのAI導入は進展しているものの、まだ試験段階にあり、今後の成長余地は大きいとされています。

関税協議の影響

貿易政策の動き

  • フィリピン:貿易協定で合意、関税率を20%から19%に引き下げ
  • 中国:来週ストックホルムで3回目の通商協議を実施予定
  • カナダ:10日以内の合意には慎重な姿勢

企業への影響

関税の影響が企業業績に表れています

  • ゼネラル・モーターズ:関税により10億ドルの影響で8.1%下落
  • RTX(航空宇宙・防衛):関税影響で2025年利益見通しを下方修正

FRB政策を巡る議論

ベッセント財務長官は、連邦準備制度理事会(FRB)※のパウエル議長について「今辞任すべき理由は見当たらない」と述べました。一方で、「FRBは今利下げを行うべき」との見解も示しています。

※FRB:米国の中央銀行制度で、金融政策を決定する重要な機関

まとめ

✅ S&P500が過去最高値を更新し、米国株式市場は堅調な展開を維持

✅ AI関連のマグニフィセント・セブンが14%の利益成長見込みで市場を牽引

✅ 関税問題が企業業績に影響を与え始めており、GMなどが大幅下落

✅ 来週の決算発表シーズンと8月1日の関税期限が市場の注目材料

✅ 貿易協議の進展状況が今後の市場動向を左右する重要な要因となる見通し

 

債券市場 米金利(CMEのFedWatch ツール)

アメリカ 利下げ織り込み

今日

昨日

ベッセント財務長官の発言で米国債相場上昇、パウエル議長の進退問題が焦点

米国債相場は上昇し、利回りが低下しました。一時的に下落していた相場が再び上昇に転じたのは、ベッセント財務長官がパウエルFRB議長について「辞任すべき理由は見当たらない」と発言したことが要因です。

主要な利回り変化

各年限の米国債利回りは軒並み低下しました

  • 米2年債利回り:3.83%(-3.2bp)
  • 米10年債利回り:4.34%(-3.4bp)
  • 米30年債利回り:4.92%(-2.8bp)

※bp(ベーシスポイント):金利の単位で、1bp=0.01%を表します

特に金融政策の変化に敏感な2年債利回りは、一時3.82%まで低下し、3日ぶりの低水準を記録しました。

パウエル議長の進退問題が市場に影響

トランプ大統領との対立

現在、パウエルFRB議長は関税政策のインフレへの影響を慎重に見極めるため、政策金利を据え置いています。しかし、この姿勢に対してトランプ大統領は批判を強めており、議長の進退が債券投資家にとって重要な関心事となっています。

財務長官の支持表明

ベッセント財務長官はFOXビジネスのインタビューで、パウエル氏が希望するなら5月の任期満了まで議長職にとどまるべきだとの考えを示しました。

投資専門家は「この支持表明により、特に長期債券市場に一定の安心材料を提供する可能性がある」と分析しています。

来週のFOMCを控えた市場の様子見姿勢

金利据え置きが濃厚

来週開催される連邦公開市場委員会(FOMC※)では、FRBが政策金利を据え置くとの見方が市場では大勢を占めています。

※FOMC:アメリカの金融政策を決定する会議体

今後の利下げ時期に注目

市場参加者は、FRBがいつ利下げを再開するかの兆候を注視しています。材料不足から様子見ムードが強い状況が続いています。

まとめ

✅ ベッセント財務長官のパウエル議長支持発言により、米国債相場が上昇し利回りが低下した

✅ 全年限で利回りが2-3bp程度低下し、特に2年債利回りは3日ぶりの低水準を記録

✅ パウエル議長の進退問題は債券投資家の重要な関心事となっている

✅ 来週のFOMCでは金利据え置きが予想されるが、利下げ再開時期への注目が高まっている

✅ 材料不足により市場は様子見ムードが強い状況が続いている

為替市場(FX) 通貨強弱

通貨全体の動き

ドル単体の動き

↑こちらのチャートはFX-laboさん↑

 

ドル全面安で円高進行、FRB独立性への懸念が重し

22日の外国為替市場では、ドルが主要通貨に対して下落しました。米国債の利回り※低下が影響し、ドル売りの流れが強まっています。

※利回り:債券から得られる収益率。利回りが下がると通貨の魅力も低下しやすい

主要通貨ペアの値動き

  • ブルームバーグ・ドル指数:1195.80(-4.72、-0.39%)
  • ドル/円:146.66円(-0.72円、-0.49%)
  • ユーロ/ドル:1.1752ドル(+0.0058ドル、+0.50%)

ドル売り圧力の高まり

オプション市場※の動向

オプション市場では、ドルに対する売り圧力が7月初旬以来で最も強い水準となっています。1か月物のリスクリバーサル※で、プット(売る権利)がコール(買う権利)を約14bp上回っています。

※オプション市場:将来の売買の権利を取引する市場
※リスクリバーサル:市場の強気・弱気を示す指標

専門家の見解

TJM FXの戦略責任者は「現在の水準はドルのショートポジション(売りポジション)を増やす好機」と分析しています。9月のFOMC会合※や他の中央銀行の政策会合を見据えた2か月先のポジションに注目が集まっています。

※FOMC:米国の金融政策を決定する会合

円高の背景と要因

日本の政治・経済状況

  • 参議院選挙の影響:与党敗北の結果は既に市場で消化済み
  • 日本銀行の政策:物価目標実現シナリオと利上げ路線の継続方針
  • 政権運営への注目:石破茂首相の今後の政権運営に市場が関心

円の対ドル上昇

円は対ドルで一時0.7%高の1ドル=146円31銭まで上昇しました。参院選の結果が予想ほど悪くなかったことを受けて、円の上げ幅が維持されています。

関税交渉の影響

8月1日の重要期限

トランプ米政権が設定した関税措置の猶予期限が8月1日に迫っており、市場は各国との貿易交渉の動向を注視しています。

日米貿易交渉の現状

  • ベッセント財務長官の発言:「日本との貿易交渉は順調に進んでいる」
  • 交渉方針:タイミングよりも質を重視
  • 見通し:すぐに何らかの打開策に達する可能性も示唆

FRB政策を巡る懸念

トランプ大統領の批判

トランプ大統領は再びパウエルFRB議長を批判し、「8か月以内に辞めるだろう」と発言しました。利下げを行っていないことを理由に「悪い仕事をした」と非難しています。

市場への影響

  • FRB独立性への懸念:政治的圧力が市場心理の重しとなっている
  • 専門家の警告:パウエル議長の交代はドル安と長期金利の大幅上昇を招く可能性

その他の通貨動向

ユーロの状況

  • ユーロ/ドル:0.2%高の1.1725ドル
  • ECB理事会:24日開催予定だが、金利据え置きが大勢の見方
  • 取引状況:ECB理事会を控えてほぼ横ばいの動き

市場全体の特徴

専門家は「経済指標の発表が少ない静かな環境の中で、狭いレンジでの取引になっている」と分析しています。

まとめ

✅ ドル全面安の展開:米国債利回り低下を受けてドル指数が0.39%下落し、主要通貨に対して軟調

✅ 円高進行が継続:参院選結果の消化と日銀の政策継続方針を背景に、円が対ドルで上昇基調を維持

✅ 関税交渉が焦点:8月1日期限の関税措置を巡る各国との交渉進展が為替相場の重要な材料

✅ FRB独立性への懸念:トランプ大統領のパウエル議長批判がドル安要因として市場心理に影響

原油、関税懸念で下落

価格動向

  • WTI原油8月限:66.21ドル(-1.5%)
  • ブレント原油:68.59ドル(-0.9%)

下落要因

  • 8月1日の関税発動期限への懸念
  • トランプ大統領がEUに30%関税を警告
  • 長期的な供給過剰の見通し

※WTI:アメリカの代表的な原油

金:ドル安で上昇

価格動向

  • 金スポット価格:3,430.40ドル(+33.35ドル)
  • 金先物8月限:3,443.70ドル(+1.1%)

上昇要因

  • ドル売りが継続
  • FRB(※アメリカの中央銀行)独立性への懸念
  • トランプ大統領とパウエル議長の対立
  • 安全資産需要の高まり

まとめ

✅ 原油は関税問題で3日続落、WTI先物66.21ドル

✅ 金はドル安とFRB懸念で3日続伸、3,430ドル台

✅ 8月1日の関税期限が原油市場の重要リスク

✅ 政治的不安が安全資産の金に資金流入を促進