2025/7

『米国市場まるわかり|株式・債券・為替・商品先物を毎日要約』・2025/7/4

米国市場まるわかり|株式・債券・為替・商品先物を毎日要約とは?

 

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目次

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昨日の市況まとめ 1分解説

株式市場(総合ニュース)

昨日のマーケットの動き 

米雇用統計が予想を上回り、株価は最高値更新も利下げ観測後退

  • 米国の6月の雇用統計が市場予想を上回り、労働市場が強いことが示された
  • 雇用統計を受けて米国債は売られ、ドルは上昇した
  • 米国株式市場は経済の底堅さを評価し、主要指数が最高値を更新
  • 市場ではFRBの早期利下げ期待が後退した一方、9月の大幅利下げ観測も浮上している

雇用統計が市場予想を上回る

米労働省が発表した6月の雇用統計では、非農業部門の雇用者数が前月比で14万7000人増加しました。市場予想の10万6000人増を大きく上回り、失業率も4.2%から4.1%に改善しました。

  • 非農業部門雇用者数:14.7万人増(市場予想10.6万人増)

  • 失業率:4.1%(前月は4.2%)

雇用が予想を超えて好調だったことを受け、米国債は売られて利回り(金利)は上昇。一方、ドルは金利上昇期待を背景に値を上げました。

非農業部門雇用者数とは?

農業分野を除く米国の雇用者数で、経済活動の状況を判断する重要な経済指標の一つです。


株式市場は好感、主要指数が最高値更新

雇用統計の強さを背景に、米国経済の底堅さが改めて意識されました。株式市場では主要指数が軒並み上昇し、最高値を更新して取引を終了しました。

指数名 終値 前営業日比 変化率
S&P500種株価指数 6279.35 +51.93 +0.83%
ダウ工業株30種平均 44828.53 +344.11 +0.77%
ナスダック総合指数 20601.10 +207.97 +1.02%
  • S&P500、ナスダックは最高値更新

  • 半導体大手エヌビディアは1.3%上昇、時価総額が4兆ドルに迫る

  • 旅行サイトのトリップアドバイザーが16.7%急騰

  • クラウド企業データドッグも14.9%上昇、S&P500指数への採用が好材料に


FRBの利下げ観測後退も、9月には大幅利下げの声も

雇用統計の好結果を受け、連邦準備制度理事会(FRB)が7月に利下げを実施するとの市場の期待は後退しました。

しかし、ベッセント米財務長官は、「7月に利下げがなければ、9月により大きな利下げが必要になる」と述べており、政策金利が現在の水準では高すぎると指摘しています。

一方、市場関係者からは「経済にとっては朗報だが、早期利下げを期待していた投資家にとっては悪いニュースだ」との声も聞かれています。

政策金利とは?

中央銀行(米国の場合はFRB)が決定する基準金利で、経済状況に応じて景気をコントロールするために調整されます。


今後の見通しと注目ポイント

米中間で関税交渉が進展したものの、トランプ政権がベトナム経由の迂回輸出に対する40%の関税を導入したことで、中国の報復リスクが高まっています。また、市場には楽観ムードも漂っていますが、行き過ぎた楽観に警戒する声もあります。

投資リサーチ会社CFRAは、S&P500種株価指数の今後12カ月の目標値を6850(現在より約10%上昇)に引き上げましたが、2025年末の目標は6525とやや控えめな予測を示しています。


まとめ

✅ 米雇用統計は市場予想を上回る好結果でドル高、国債安

✅ 株式市場は経済の強さを好感、S&P500とナスダックが最高値を更新

✅ FRBの7月利下げ観測は後退したが、9月の大幅利下げの予想もある

✅ 半導体、旅行サイト、クラウド関連株が急上昇

✅ 米中関税交渉の行方や過度な市場の楽観に注意が必要

債券市場 米金利(CMEのFedWatch ツール)

アメリカ 利下げ織り込み

今日

昨日

債券市場】米雇用統計好調で国債急落、FRB利下げ観測が大幅後退

6月3日に発表された米雇用統計が市場予想を上回る結果となり、米国債市場では債券価格が大幅に下落しました。これにより、債券利回りが急上昇し、FRB(連邦準備理事会)の利下げ時期が先送りされる見通しが強まりました。

主要な債券利回りの変化

米国債の利回りは以下のように上昇しました

  • 2年債利回り: 3.88%(前日比9.7bp上昇)
  • 10年債利回り: 4.34%(前日比6.7bp上昇)
  • 30年債利回り: 4.86%(前日比5.9bp上昇)

※bp(ベーシスポイント):1bp = 0.01%を表す金利の単位

利下げ確率の大幅低下

金利スワップ市場(将来の金利を予測する市場)では、FRBの利下げ確率が大きく変化しました

  • 7月利下げ確率: 約25% → ほぼ0%
  • 9月利下げ確率: 約98% → 約70%

専門家の見解

利下げ先送りの見通し

アメリベット・セキュリティーズのファラネロ氏は「FRBは夏休みを取るだろう」と表現し、7月の利下げ可能性はなくなったと指摘しました。今後の金融政策は雇用情勢次第との見方を示しています。

市場反応への慎重な見方

一方で、ブラックロックのローゼンバーグ氏は、民間部門の雇用者数の伸びが鈍化していることを踏まえ、債券売りは行き過ぎだった可能性があると指摘しました。

雇用統計の詳細

6月の雇用統計の主要指標

  • 非農業部門雇用者数: 14万7000人増加(市場予想を上回る)
  • 失業率: 4.1%(前月の4.2%から改善)

これらの数字は労働市場の堅調さを示しており、FRBが急いで利下げする必要性が低いことを示唆しています。

まとめ

✅ 予想を上回る雇用統計により、米国債利回りが全般的に上昇しました

✅ 7月のFRB利下げ確率がほぼゼロとなり、9月の利下げ確率も大幅に低下しました

✅ 労働市場の堅調さがFRBの慎重な金融政策スタンスを後押ししています

✅ 専門家の間では、市場の反応が過度だったとの見方も存在します

為替市場(FX) 通貨強弱

通貨全体の動き

ドル単体の動き

↑こちらのチャートはFX-laboさん↑


米雇用統計の好調でドルが全面高!円は大幅安に

  • 米国の6月の雇用統計が予想を上回り、ドルが主要通貨に対して上昇
  • FRB(米連邦準備制度理事会)が利下げを再開する時期が後ろ倒しになったことで、米ドル買いが進む
  • 円はドルやユーロに対して大きく売られ、一時昨年7月以来の安値を記録

ドルが主要通貨に対して上昇した背景は?

米国の6月雇用統計が市場予想を上回ったことで、アメリカの景気が予想よりも強いことが確認されました。この結果、米連邦準備制度理事会(FRB)の利下げ観測が後退し、ドルが主要通貨に対して強含みました。

非農業部門雇用者数とは?

アメリカで農業以外の企業・公共機関が雇用した人数のことを指します。景気動向を見るための最も重要な指標のひとつです。


円はなぜ大幅に売られたのか?

雇用統計発表後、米ドルは対円で急速に上昇しました。一時1ドル=145円23銭まで値下がり(円安)し、前日比で約1.1%もの円安が進行。これは米国の利下げ期待が遠のき、米金利が上昇したためです。円は米ドルに限らず、ユーロに対しても売られました。

円安になる仕組みは?

米国の金利が上昇すると、米ドル建ての資産の魅力が増します。そのため、日本の低い金利との差が広がり、日本円を売ってドルを買う動きが強まります。


ユーロとポンドの動きは?

  • ユーロ:ドルに対して0.39%安の1ユーロ=1.1753ドルとなり、ドル高ユーロ安に。

  • ポンド:前日の下落から回復し、主要通貨の中でも比較的強い動きを見せました。対ドルでわずかに上昇し、1ポンド=1.3646ドルとなりました。


FRBの動きはどうなる?

今回の雇用統計の結果を受けて、FRBが7月に利下げを再開する可能性はほぼなくなり、9月まで見送りになると予想されています。

FRBとは?

米連邦準備制度理事会のこと。米国の中央銀行で、金融政策(金利の引き上げや引き下げ)を通じて経済を調整します。


今後の見通しは?

市場では米国経済の底堅さが確認されたため、短期的には米ドルが強含む可能性が高まっています。ただし、民間部門の雇用の伸びが鈍いことなどを踏まえると、慎重な見方も出ています。


まとめ

✅ 米雇用統計が予想以上に強く、ドルが主要通貨に対して全面高となった

✅ 円は特に売られ、一時1ドル=145円台前半まで円安が進行した

✅ FRBの利下げ再開予想が7月から9月に後退し、米ドルの強さが際立った

✅ ポンドは対ドルで安定的な動きを見せ、ユーロはドルに対して弱含んだ

原油・金価格が反落、米雇用統計と中東情勢が影響

原油価格の反落要因

中東情勢の緊張緩和

ニューヨーク原油先物相場は反落しました。主な要因は、米国がイランとの核協議再開を計画しているという報道により、中東情勢の緊迫化リスクが後退したことです。

核協議再開の動き
  • ウィトコフ米中東担当特使がイランのアラグチ外相と来週オスロで会談予定
  • アラグチ外相は国際原子力機関(IAEA)との対話継続を表明
  • 中東での軍事的緊張が和らぐ期待が高まる

米祝日による流動性低下

米国の祝日を控えて市場の流動性(※取引量)が低下したことも、価格下落を増幅した可能性があります。

※流動性:市場での取引のしやすさを表す指標

OPECプラスの増産計画

6日にはOPECプラス(石油輸出国機構と非加盟産油国の連合)が会合を開催予定です。

増産協議の内容
  • 日量41万1000バレルの追加生産引き上げを検討
  • 大幅な供給拡大に合意する可能性が高い
  • ただし、原油価格が50ドル台まで下落した場合は方針転換の可能性

今後の見通し

ノルウェーDNB銀行のアナリストは「今後数か月に構造的な弱さが一段と増す局面に突入しそうだ」と指摘しています。

原油価格の終値
  • WTI先物8月限:67.00ドル(前日比0.7%安)
  • 北海ブレント9月限:68.80ドル(前日比0.4%安)

金価格の下落要因

米雇用統計の影響

金相場も反落しました。6月の米雇用統計が予想を上回る結果となり、7月の米利下げ観測が後退したことが主な要因です。

金利上昇の影響

  • ドルと米国債利回りが上昇
  • 金利上昇は金価格の重し:金は利子を生まない資産のため、金利が上がると投資魅力が相対的に低下

※利子を生まない:金は株式の配当や債券の利息のような定期的な収入を生まない投資商品

財政赤字懸念は支援材料

一方で、下院で可決された大型税制・歳出法案により、今後10年で米国債務が推計3兆4000億ドル拡大すると見込まれています。これは安全資産としての金の魅力を高める要因となる可能性があります。

金価格の終値
  • 金スポット価格:3329.08ドル(前日比0.8%安)
  • COMEX金先物8月限:3342.90ドル(前日比0.5%安)

まとめ

✅ 原油価格は米・イラン核協議再開報道により中東リスクが後退し下落しました

✅ OPECプラスの増産協議も原油価格の下押し要因となっています

✅ 金価格は米雇用統計好調で利下げ観測が後退し、金利上昇により下落しました

✅ 両商品とも市場の流動性低下が価格変動を増幅させた可能性があります